細目スクリーン(高圧洗浄装置付)
《 概要 》
し尿、浄化槽汚泥、下水などの処理技術は近年ますます高度化し、膜処理装置等の導入で原液中の夾雑物や浮遊物質の除去が、水処理設備全体の性能を大きく左右するようになってきました。ES形細目スクリーンは、今まで除去できなかった微細な夾雑物や浮遊物質の回収を目的に、長年における幾多の経験をもとに開発、改良を重ねて完成したスクリーンです。本機は空気洗浄方式を採用し、目詰まりを防止しております。より高い洗浄効果が必要な場合は、温水洗浄装置、高圧温水洗浄装置、アルカリ洗浄装置を付属出来る構造になっております(オプション仕様)。
《 特長 》
1. 空気洗浄方式
運転中に洗浄空気を連続的に吹き付けて、スクリーン素子の付着物及び液膜を除去する構造となっております。また洗浄空気はスクリーン内空気を循環使用することにより、機外への排臭量を出来るだけ少なくする方式を採用しています。
2. 新しい防蝕対策
接液部や接臭気部は全てSUS304材を使用し、ケーシング内面及び内装部品はエポキシ樹脂塗装をしていますので、耐久性、耐蝕性に富んでいます。しかしステンレス材にも孔食やすきま腐蝕が発生します。腐食性雰囲気の中で、ステンレス材の表面に汚れや付着物があった場合、酸素を部分的に遮断する為、すきま腐蝕(通気差電位による腐食)に起因する孔蝕の発生が促進されます。この腐蝕はエポキシ樹脂塗装だけでは防止できない場合があります。そこで弊社では新たに流電アノード防食方式を採用し、より一層の耐蝕効果を上げています。
3. 完全密閉構造
本体カバーは完全密閉構造となっておりますので、機外へ臭気が漏れることもありません。また洗浄空気ファンは防音構造のファンボックスに収納していますので、作業環境上問題になることはありません。
4. 簡単な操作・維持管理
電源を入れるだけで運転ができ、面倒な運転準備や操作の必要が無く、自動運転も可能です。ろ過状況はワイパー式点検窓から容易に確認できます。また本体カバー側面及び裏面にも点検口を設けていますので、維持管理が極めて容易です。機内照明はスクリーン内部を直接照射出来る構造になっていますので、ろ過状況が非常に見易くなっております。
5. チェーン緊張装置
チェーンの緊張はチェーンテンショナを使用し、簡単にチェーンの緊張を調整できますので、減速機ベースを移動する必要がありません。
6. オーバーフロー対策
もしスクリーンがオーバーフローした場合の検知装置として、スクリーン内部にオーバーフロー検知装置(電極式)を設けています。その信号により前処理設備制御盤への警報出し、及び破砕ポンプ停止回路等を設けることが出来ます。またオーバーフローした原液は本体ケーシングに設けたオーバーフローノズルより受入槽(原液槽)に戻るフローとなります。オーバーフロー検知盤(センサー洗浄回路及び誤動作防止回路組込)はオプションで用意しています。
7. コンパクト・安全設計
特殊形状のスクリーン素子や空気洗浄方式の採用により、スクリーンの濾過効率が高い為、機器本体は非常にコンパクトな設計となっております。付属配管や付属機器との接続も容易で、前処理設備全体としてもコンパクトに配置できます。また洗浄空気ファン点検時の安全面に考慮して、駆動減速機が洗浄ファンボックス上から突出しないように設置しております。
8. 高性能洗浄装置(オプション)
最近浄化槽汚泥中に、油分(ノルマルヘキサン抽出物質中の動植物油脂類など)を、多量に含む場合が増加しております。温度が下がると固まりやすく、スクリーンに付着して目詰まりを起こす例が多々あります。またスクリーンに付着した析出塩(リン酸アンモニウムマグネシウム等)の結晶は、スクリーン素子との密着性が強く、なかなか剥離させることが出来ません。そこで弊社では付着対象物により最適な高性能各種スクリーン洗浄装置を用意しております。(装置の仕様詳細は単体機器の項を参照願います。)
- 温水洗浄装置
- 高圧温水洗浄装置(特許第3315379)
- アルカリ洗浄装置
《 仕様及び能力 》
目開き/能力 | 電動機容量 | ||||
---|---|---|---|---|---|
1.0mm | 0.7mm | 本体 | 洗浄ファン | ||
ES-50 | 生し尿 | 5kℓ/h | 3.8kℓ/h | 0.2kW | 0.4kW |
浄化槽汚泥 | 7.5kℓ/h | 5.6kℓ/h | |||
ES-100 | 生し尿 | 10kℓ/h | 7.5kℓ/h | 0.4kW | 1.5kW |
浄化槽汚泥 | 15kℓ/h | 11.2kℓ/h | |||
ES-200 | 生し尿 | 20kℓ/h | 15kℓ/h | 0.75kW | 2.2kW |
浄化槽汚泥 | 30kℓ/h | 22.5kℓ/h | |||
ES-300 | 生し尿 | 30kℓ/h | 22.5kℓ/h | 0.75kW | 2.2kW |
浄化槽汚泥 | 45kℓ/h | 33.7kℓ/h | |||
ES-400 | 生し尿 | 40kℓ/h | 30kℓ/h | 0.75kW | 2.2kW |
浄化槽汚泥 | 60kℓ/h | 45kℓ/h |
処理原液のSS濃度は、し尿 18000 mg・ℓ-1、浄化槽汚泥 13000 mg・ℓ-1を基準にしています。
また、上記以外の目開きが必要な場合はお問い合わせ願います。
《 図面 》
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