細砂除去洗浄装置
《 概要 》
し尿及び浄化槽汚泥中の細砂は、粒径0.3mm以下が大部分ですので、前処理設備の細目スクリーン(標準目開き1mm)では、ほとんどが回収されません。よって細目スクリーンのろ液に漏洩し、後段の貯留槽に堆積します。貯留槽に堆積した細砂の除去清掃作業は不衛生で、酸欠などの危険な作業に加え、設備停止日数も必要となり、多大な費用がかかります。大機エンジニアリングはこれらの問題を解決するために、長年における幾多の経験をもとに技術開発し、改良を重ねてJES形細砂除去洗浄装置を完成させました。細砂除去装置と洗浄・水切り機構を一体に組込み、全自動連続運転可能なコンパクトな設計となっております。またより高い細砂回収率をご要望の場合は、細砂除去スクリーンを追加設置した装置JESS形も用意いたしております。
除砂サイクロン部
《 構造 》
貯留槽に堆積した細砂を、除砂サイクロンでの遠心力効果で、連続的に分離・除去し、洗浄タンクに貯留します。タンクでは定量的に撹拌洗浄を繰り返して、水切りコンベアで機外へ細砂を搬出します。サイクロンの入口、出口配管には流量調整バルブ・圧力計を設けております。流量調整バルブはエキセントリックバルブを使用していますので、詰まりなどは皆無です。また除砂サイクロン下のクッションチャンバーにはアクリル樹脂製の点検窓が付いていますので、分離回収状況が実況確認することが出来ます。サイクロン内部の洗浄は洗浄自動弁の切替え及び洗浄水電磁弁の操作により運転停止時に自動で洗浄できる機構となっています。サイクロン下に設置している洗浄タンクには、細砂の洗浄効果を高める為、洗浄時に細砂を撹拌出来る様に、空気撹拌ノズルヘッダ管及び水撹拌洗浄ノズルヘッダ管を設置しております。洗浄が完了しましたら水切りコンベアを作動させて、回収・洗浄した細砂を機外へ排出します。細砂の洗浄は撹拌自動弁の切替え及び洗浄水電磁弁の操作にて自動洗浄出来る構造となっております。細砂の回収状況の確認は、洗浄タンクに設けた点検窓より確認することが出来ます。またタンク内を確認し易い様に照明灯(LED)を設置しております。
《 特長 》
1. 高い回収率
弊社のサイクロンは高回収率を目標に開発されておりますので、他社製と比較してサイクロン径が非常に小さくなっております。依って細砂回収率が非常に高く、また固液分離も優れていますので、細砂の洗浄も容易で、洗浄水量の低減につながります。
2. 全自動運転・簡単操作
電源を入れて投入ポンプを起動するだけで、装置を運転できます。面倒な運転準備や操作の必要が無く、洗浄・排出工程とも全自動運転が可能です。サイクロン下のチャンバー取付け点検窓より、細砂分離回収状況は容易に実況確認でき、回収洗浄した細砂はホッパ取付け点検窓より確認出来ます。ホッパ内部照射用に照明灯も組込まれています。
またホッパの液レベルが配管の詰まり等で、異常に高くなった場合には、付属のレベルスイッチに依る警報を発信出来る機構になっています。
洗浄タンクの底面には、ウェッジワイヤ製の二重ケーシングが組み込まれており、水切り効果を上げております。また排出スクリューコンベアのスクリュー羽根には螺旋状ブラシが取付けられ、また洗浄ノズルも設けていますので、ウェッジワイヤの目詰まりを防止しています。
3. コンパクト設計
除砂サイクロン装置と洗浄・水切り装置は上下一体構造となっていて、非常にコンパクトな設計となっています。洗浄タンクと水切りタンクを兼用している為、洗浄タンクを別途設ける場合と比較して、設置高さを低く抑えることが出来ます。
付属配管や付属機器との接続も容易で細砂除去設備全体としてもコンパクトに配置できます。
4. 優れた耐久性
構造が簡単な上、接液部は全てSUS304材を使用していますので、耐久性・耐蝕性・耐摩耗性に優れています。摩耗が進行し易い部分には厚板を使用しております。また摩耗が進んだ場合でも摩耗部分だけの交換が可能な構造になっています(例えばサイクロン出口スロート部)。